第四話 闇の異業 - FINAL FANTASY DARK CRYSTAL
ホールでは、バイキング形式のディナーが用意がされていた。その一角の数テーブルで、人だかりができている。一テーブルに一組がクアッドミストの対戦をしており、その周りには野次が集まっているようだ。ヒュームが多めだが、さまざまな人種が輪を作っていた。レフェリーらしき人物が、テーブルを見回しており、不正のチェックに余念がない。報奨金が確定したテーブルもちらほらある。
その一つの側にカール達は歩み寄った。ちょうど決着が着いたようで、負けた側のヒューム族の女性は「やってられませんわ!」などと叫びながら、対戦に使用していた五枚のカードをテーブルに叩きつけ、去って行った。
クアッドミストの基本ルールとして、負けた側は、対戦に使用したカードを、相手に譲渡するというものがある。
「さぁ、さぁ、次の挑戦者はいないかね!?」
勝者側のエルヴァーン族の男性は、声高らかに言い放った。絵に描いたような雑魚敵な発言だが、この者は十連勝中のようで、周りの人間はひそひそと囁くばかりで一向に挑戦しようという者は現れない。と、カールが人垣を掻き分け、卓に着いた。
「はーい、じゃぁ、僕が受けて立ちますよ。」
カールはひょうひょうと言った。ウィーネは、カールに追いつかんと人垣をかいくぐって、カールに耳打ちした。
「大丈夫なの?この人、十連勝中みたいだし、めっちゃ強いんじゃないの?」
「...大丈夫だよ、挑戦してた奴が雑魚過ぎたんだよ。なーに、見てろって。」
エルヴァーンの男性は、イラついた色でカールらを睨み、言った。
「ちょっと、なんだね、やるのか、やらないのかね?」
対戦に集中しろと言うよりは、別の意味がありそうである。
「へぇ、いや、さっそく始めましょう。」
ウィーネの心配を他所に、対戦が開始された。