第一話 潜入 - FINAL FANTASY DARK CRYSTAL
プロローグ
その昔、四つの光りのクリスタルと、闇のクリスタルがあった時代、善と悪が混在し、入り乱れてた時代。
四人の光の四戦士が、"永遠の闇"を倒した。世界の平和を願い、悪を根絶やしにするため。
このどこにでもあるような冒険記。世界が平和になる英雄譚。しかし、この世界は平和にはならなかった。闇を、微かな安らぎを奪い合う、争いの世界になった...。
そして今、光りの四戦士が永遠の闇を倒して二百年。闇が無くなった世界で人々は闇を作り出す方法を見つけ出していた。それは闇のクリスタルの力を増大させて、夜と闇を擬似的に作り出すというものだった。闇のクリスタルは大小様々存在するが、極めて大きく、巨大なものが四つ存在した。人々はそのクリスタルのもとに集結し、四つの国を建国した。すなわち、機械と勇気の国ガンズルム帝国、魔法と秘密の国ウィンダス共和国連邦、騎士と栄光の国サンドリア帝国、精霊と平和の国エルウェット共和国。この国々は、互いに助け合い、闇のクリスタルの力を使いながら、世界を平和に保っていた。百年前までは...。
百年前なにが起こったのか。それは闇のクリスタルの寿命が明らかになったことである。
永遠の闇がいない世界は、闇の力が急速に衰えていた。そのため、いくら闇のクリスタルといえど、力を失い続ける限りだったのだ。それでも各国は、なんとかクリスタルの力を維持し、耐えていた。だが、それも近年では限界に来ていたのである。クリスタルの維持の原動力をめぐり、各国の緊張が深まっていたのだ。