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第四話 闇の異業 - FINAL FANTASY DARK CRYSTAL

 ダークスフィア。それは、闇のクリスタルの力の維持に絶大な効果を発揮する、人工の闇の水晶球のことだ。十年ほど前、闇ルートでひっそりと流通していたのを、ガンズルム帝国の憲兵が取り締まった際に、偶然発見された。発見当初、研究者は、これこそが闇の力が落ちゆくガイアを救う救世主だ、と囃し立て、こぞって研究を行った。しかし、その製造法が判明した時、研究者達は、罪悪感にも似た感情を覚えた。なぜなら製造の原材料が、人間、だったからである。

 ただちにガンズルム政府は、ダークスフィアの使用及び、所持、流通、製造の一切を禁止する法令を勧告した。そして、四大国議会に、議題を提出、ガンズルム国内のものと同様の法案は、賛成多数により可決、国際法として制定された。しかし、最後まで反対の意思を示した国があった。ウィンダス共和国連邦である。

 ウィンダスの主張は終始、「ノーリスクで闇の維持をするにはダークスフィアを使うしかない。それならば大いに使うべきである」であった。人体を材料にすること自体が、材料の確保においても、世論的にも、リスキーなことは言うまでもないが、なにより、人体を使う事に対してノーリスクと宣うウィンダスの姿勢は非人道極まりないものであろう。当然、他国は非難した。

 しかし、闇のクリスタル維持において、未だ有効な方法が見つかっておらず、いずれの方法もただクリスタルの力を消費するもので、対して、ダークスフィアは確実に闇のクリスタルの力を回復させることができた。それだけに、製造法が発見された時の科学者達の落胆が非常に大きかったのは想像に難くない。

 ガンズルム帝王シド・バルンストは、ウィンダスの頑なな姿勢に疑問を覚えた。これまで、ここ近年特に、ウィンダスの実質的独裁者である、アスクル・ワイバーの様子がおかしくなっていることを懸念していたが、このダークスフィア事件に対しての姿勢を見、違和感が確信へと変わった。何か裏がある、と。

 シドは、ダークスフィアの流通もしくは製造そのものから、ウィンダスが関与しているのではないかと、睨み、独自に、諜報部タークスよるウィンダスダークスフィア関与を調査する事を決断した。

 今から、五年ほど前のことである。